両サポーターの応援が交錯し異様な雰囲気のフクダ電子アリーナ。
昨年同じ時期、ここで連勝を止められそこから未勝利で終わった事が脳裏を過ぎる。
だが同時に鹿島、名古屋のように上位から引きずりおろしてやりたい気持ちもあった。
前半開始早々20秒、左サイドからの谷澤のクロスに深井がワンタッチで流し込み先制!
相手のキックオフだったのにも関わらず素早くサイドで囲み、一気に攻め、ゴールを奪い取った。
あまりに早すぎる得点、残り89分どう戦うのか気になったが、8分に闘莉王に決められてしまう。
欠場すると言われていたが強行出場し点も獲ってくる、タフな選手だ。
青木良、巻とポストを叩く惜しい場面もあったが前半は1-1で終了。
圧巻は後半12分、ミシェウの後ろからのパスを受けた深井が見事なターンで
ディフェンスを振り切り左足一閃!!
どうだ!と言わんばかりに跳ね返ってきたボールを再びゴールに投げ入れサポーターに駆け寄る!
5試合で4得点、遅れてきた救世主は本当にジェフを救ってくれている。
彷徨えるストライカーはようやく最高のチームと出会えたのではないだろうか。
それに続けと後半21分、ディフェンスのミスから巻がボールを奪いミシェウへ。
冷静にディフェンスを見ながら右足を振りぬきゴール左隅へ。
3-1。巻の献身的な働きとミシェウの落ち着きが生んだゴールだったのではないか。
2点をリードしたジェフだがボールはレッズがキープ。
この日はシュートこそ打たれているが枠に飛ばず驚かされるものではなかった気がした。
ジェフディフェンダーの読みが勝っていたのかもしれない。パスカットも多く見られた。
それでもACLを戦うチーム。 隙をつかれ2失点目。
残り5分とロスタイム4分がスタジアムを緊張感で押しつぶす。
終了間際に右サイドからのFK。
響き渡る岡本コール。
それに答えるように岡本のパンチング、こぼれ球を梅崎が拾いシュート!
これを坂本が体を投げ出しブロック、そしてクリア!
その瞬間試合終了のホイッスル。
勝利をかみ締めているとWIN BY ALLコール、AMAZING GRACE。
素晴らしい試合、素晴らしい空間だった。
これで5連勝、14位浮上で降格圏脱出。
後半戦は7勝2分2敗で現時点で最多勝ち点らしい。
前半戦2勝4分11敗で最下位だったのだからこれが2ステージ制だったらと思ってしまう。
最下位からここまで息を吹き返したのは誰もあきらめなかったから。
負け続けていても声援を送り続けたサポーター、必死に活路を模索したスタッフ、
それに答えた選手達みんなの力。
『今こそWIN BY ALL!』を掲げ全てを一体にしたクラブもだ。
中断期間に入るがゴールまであと少し、気持ちを切らさず最後まで駆け抜けて欲しい。
全ては最後に笑える為に。
WIN BY ALL。